TOEFLで100点超えるまでにやったこと
モチベーション
仕事で必要な語学力強化の一環で年内にTOEFL100点突破を目標としていました。約半年毎日勉強し続けて、7月に104点を取得したので誰かの役に立つかもしれないので勉強方法を備忘録として残します。
なぜTOEFLを勉強するのか
仕事の採用面接やMTGのファシリテーションなど海外のエンジニアとコミュニケーションを取る機会が多く、その質が自分やチームの業務のアウトプットや効率に直結していると感じたので自力の底上げを図りたいと思ったのがきっかけでした。
あとは仕事の情報収集が最近は英語で本を読んだり、ポッドキャストを聞いたり、Youtubeを観たりとほぼ英語になっており、英語の情報処理能力をワンランクアップさせたいなと考えていました。
それまでも、GABAやDMMで英会話の勉強をしたり、海外のドラマを見たりと毎日色々な形式で勉強を続けていましたが、もう少し難易度の高い英語で自分に負荷をかける時期だと判断し、総合的に考えてTOEFL100点取得に時間を投資することを決めました。
万人に適切な手段なのかは正直疑問だけど、自分の場合数値目標があったほうが達成度を実感しやすい性分でモチベーションが保ちやすいことは分かっていました。なので、悪くはない選択だったと思う。
英語の利用習慣
一応、自分の英語の利用頻度 にも軽く触れておくと、現職ではサービスの海外展開を主に担当しているため、英語を使わない日はほとんどないです。ただ、エンジニアなので文書書いたり、コード書いたりする時間が多く、業務では主に読み書きでよく使います。英語を話すのは、カンファレンスでのプレゼン、MTGでの議論、採用面接などで必要に迫られたらという感じです。
勉強前後の語学力の変化
TOEFL勉強前の語学力
- TOEIC 900点前後
- ネイティブ同士の会話はほとんど聞き取れない
TOEFL勉強後の語学力
- MTGで効率の悪い話し方をしなくなった
- ライティングのスピードがものすごく上がった
- ネイティブ同士の会話が多少聞き取れるようになった
- 海外のドラマで出てくるフレーズに対する理解度が上がりより楽しめるようになった
TOEFLの試験形式
試験時間は合計4時間弱で以下の順番で進んでいく。
- リーディング: 60~80min
- リスニング: 60~90min
- 休憩: 10min
- スピーキング: 20min
- ライティング: 50min
リーディングとリスニングの時間がブレるのは、必ずどちらかで点数に反映されない問題を解く必要がありその分時間が伸びるため。
4時間もの試験を受けるのは正直ダルいを超えてシンドイのですが、この負荷が一種自分が求めていたものなので、これを乗り越える訓練をしました。
スコア推移
1月から勉強を開始して、最終的なスコアは104。初回受験から見ていくと順調に伸びたように見える。とはいえ、5,6月は相当な時間勉強したのにもかかわらず、6/10の結果でかなり点数が下がったのでショックだった。この日は睡眠不足や体調不良などで集中力を保つには厳しいコンディションだったので、試合の前に既に負けていたのかもしれない。
試験日 | スコア | 勉強配分メモ |
---|---|---|
2018/2/4 | 計92: R:24, L:23, S:19, W:26 | 語彙強化:100%、当日に問題形式を把握して受験 |
2018/4/16 | 計96: R:26, L:25, S:22, W:23 | 語彙強化:60%、長文読解強化:20%、残り20% |
2018/6/10 | 計92: R:23, L:25, S:17, W:27 | 語彙力強化:50%、リスニング強化:30%、残り:20% |
2018/7/7 | 計104: R29, L:27, S:23, W:25 | 語彙力強化:30%、長文読解強化:20%、リスニング強化:30%、スピーキング強化:20% |
勉強方法
勉強の頻度
出社前に朝2時間、帰宅後に1時間。週末に5時間くらいのペースで半年勉強していました。それぞれのパートの勉強方法は以下の通りです。
リーディング
リーディングは地学、生物学、科学、工学などあらゆる分野で難易度の高い文書を読むことになる。文書の量はTOEICの数倍あり、単語のレベルも高いため勉強前の状態ではスラスラ読めなかった。語彙力の強化は一つ課題だったので一番最初に取り掛かった。以下の単語帳のLeve3までの単語でわからないものをすべて覚えました。単語帳はこれ以外は不要です。不足分は公式問題集の文中に出てくる全ての単語を覚えることでカバーできます。
単語を暗記している時、相性が悪くてどうしても覚えられないものが出てくると思います。その場合はiKnow!の単語帳にそれらを追加して繰り返し勉強しました。iKnowの良いところは忘れた頃に勝手にそれらの単語を復習させてくれるところで、これはエビングハウスの忘却曲線に則っている(?)。人間の記憶定着のメカニズムに則っているので無理なく覚えることができます。
また、長文を集中して読み切る力も必要なわけですが、僕は長文読解のトレーニングで公式問題集3冊以外は手を出さなかった。この3冊で模試13回分もあります。Official Guideは若干難易度が低いような気もしたが、残りの2つは量も難易度も申し分なかったので十分だと思います。繰り返し解くことで読解力も読むスピードも向上します。
- The Official Guide to the TOEFL Test with DVD-ROM, Fifth Edition
- Official TOEFL iBT Tests Volume 1, 2nd Edition (Official Toefl iBT Tests)
- Official TOEFL iBT Tests Volume 2 (Official Toefl iBT Tests)
間違えたところは自分が理解しにくい構文や単語が含まれていることが多いので分析するのも重要です。僕はこんな感じのシートを作って自分の苦手な問題の傾向をチェックしていました。これは、リスニングでも同様です。
リスニング
リスニングは会話、講義を聞き取るものが中心で講義に関してはリーディング同様難易度の高い単語がバンバン出てくる。1題1題が比較的長く、5-7分くらいの会話や講義を聞いてその後に一気に問題を解くというのを1時間以上繰り返していく。
TOEFLはメモ用紙が使えるため、 リスニングの時間に好きにメモを取ることができますが、僕の場合はメモは取らずに集中して会話を聞き続けました。日本語なら5-7分くらいの会話は覚えられるので、英語でも同じことができるようになれば良いという心構えで。教材としてはリーディングと同じ公式問題集を使いました。それに加えて、BBCの6 Minute EnglishやCNN 10などのポッドキャストも毎日聞きました。
また、リスニングでは自分が苦手とする音を把握する必要がありました。例えば、多くの日本人の方はLとRの発音が難しいと良く言いますが、発音できない音はたいてい聞き取りもできません。これを改善するためには自分でLとRの正しい音を理解して、正しく発音できるようになる必要があります。
基本的には筋トレと同じでその音を聞き取り、発声するための筋力を鍛える必要があります。僕の場合は会社まで自転車で通勤しているということもあったので、フォニックスの本で通勤前に正しい音の出し方を復習して、通勤中ひたすら発音のトレーニングをしていました。
2週間くらい続けたところで効果が出てきたのか、聞き取りづらい部分がクリアに聞き取れるようになりました。日本語と英語は発声の時に使う筋力(と息遣い?)がだいぶ違うので、発音に自信がない方にはフォニックスはおすすめです。
スピーキング
他のパートに比べると勉強不足感はありました。やったのは、DMM英会話と試験一週間前に問題形式に慣れるだけです。スピーキングは最終的に23点しか取れていないので、これが絶対良いみたいなのはわからないです。
ただし、Integration task という種類の問題は問題をリーディングして、会話や講義をリスニングした後にスピーキングをするのでリーディングとリスニング力がないとそもそもスピーキングで回答することができない。そのため、スピーキングと言いつつもリーディングとリスニングが大事なんじゃないかと。
時間制限があり、効率良く話せるようにならないと言いたいことが言えないので、そういう訓練には良いと思います。
ライティング
ライティングもスピーキング同様 Integration task があるので、リーディング、リスニングがままならないと高得点を取るのは難しい。
基本的には論述の際に使える表現のパターンを増やすことで対応した。いくつかの問題を使って文章や表現をマルっと暗記したり、繰り返し写経するとパターンは増えていきます。たくさんの問題をやるより、少ない問題でパターンを増やす特訓をしましょう。これは業務でもかなり活きていて、1年前と比べると息を吸うように英語の文書がかけるようになりました。
そんなこともあり、実はライティングは4技能のうち一番自信がありました。104点とった日もそこそこ自信のある論述ができたし、スペルミスチェック をする時間もあったので内心”過去最高点間違いない!”と思っていたましたが、点数はご覧のとおりでした。減点の理由はわからない。
試験当日のTips
体調、特に睡眠の量はかなり受験時の集中力に影響します。また、試験は朝から始まるので、受験の週は生活リズムを朝方にしつつ、睡眠もきちんと取ったほうが良いでしょう。
また、試験会場の良し悪しで点数に差がつくみたいなアドバイスも巷ではあるようですが、耳栓は持ち込みできるので、それさえ持ち込んで集中しちゃえばどこもあまり変わらないんじゃないかなと思う。ちなみに、僕が104点とったときは、特に評判も良くない家から一番近い渋谷のテストセンターで受験しました。
集中できる環境を整えたい人はこの耳栓がおすすめです。
この耳栓を使う場合は、本番で装着に手こずらないように一度付ける練習したほうがいいかもしれません。
勉強した感想
大変だった。TOEFLはそれなりに英語の基礎がないと手も足もでないので、自分にあった題材で少し英語に慣れてから挑戦するのが良いかなと思いました。TOEICでいうと、最低800点とれるようになってから始めたほうが効率的かなと思います。
勉強前はTOEFLの単語難しいから実生活で出てこないかもしれないと思っていましたが、実際はそんなことなくて海外ドラマを観ていたり、業務で海外の人と話しているとTOEFLで扱われるような単語はガンガン使われています。英語の技術書を読むスピードも格段に上がりました。無駄なんてことは決してないです。
また、日本人は圧倒的にスピーキングとライティングの訓練が足りていないので何か意識して訓練を積まないと業務効率が落ちてしまいます。その訓練の手段としてTOEFLはありかなと思いました。
まとめ
2018年は半年間を英語能力の底上げに投資したところ、TOEFLで104点取得できました。また、業務効率が飛躍的に向上しました。まだまだ、足りていないことは自覚しているのでこれからも継続的に勉強していこうと思います。